大学院コース  (平成28年4月20日現在)

コース名 養成する専門分野 修業年限 実績
  都市型がん医療連携を担うがん治療専門医養成コース   化学療法医、緩和医療医 4年   平成25年度:  0人
 平成26年度:  0人
 平成27年度:  1人
  都市型がん医療連携を担うがん治療専門医養成コース   がん治療認定医 4年  平成27年度:  9人
   医理工連携がん研究者養成コース  医理工系研究者 4年   平成25年度: -
  平成26年度: -
  平成27年度: -
   がん看護専門看護師養成コース(修士課程)   がん看護専門看護師 2年  平成24年度:  1人   
 平成25年度:  1人
 平成26年度:  0人
 平成27年度:  3人
合 計  平成24年度:  1人 
 平成25年度:  1人
 平成26年度:  0人
 平成27年度: 13人

 

インテンシブコース     (平成29年4月28日現在)

コース名 養成する専門分野 修業年限 実績
 地域医療を担うがん医療者研修コース  がんに関係する医療
 従事者
    -

 平成25年度:    6人
 平成26年度: 132人
 平成27年度: 208人
 平成28年度: 164人

 医学物理インテンシブコース
   (医学物理のための医学入門)
 医学物理士     -  平成27年度:  34人
 平成28年度: 10人
 医学物理インテンシブコース
   (医学物理士を目指す方のための理工系科目
    補習コース)
 医学物理士     -  平成27年度:  44人
 平成28年度: 31人
 医学物理インテンシブコース
   (蛍光ガラス線量計による線量測定の基礎講習会)
 医学物理士     -  平成27年度:  10人
 医学物理インテンシブコース
   (ラジオクロミックフィルムによる線量測定の基礎講習会)
 医学物理士     -  平成27年度:  14人

 がん治療認定医コース(特別開講)

 

 がんに関係する医療
 従事者
    -

 平成28年度:  6人

 

 医学物理インテンシブコース
   (IROC国外第三者校正のための講習会)
 医学物理士     -  平成28年度:  8人
 医学物理インテンシブコース
   (放射線治療の線量管理業務の実務講習会)
 医学物理士     -  平成28年度: 31人
合 計

 平成25年度:    6人
 平成26年度: 132人
 平成27年度: 310人
 平成28年度: 250人

 

公開講座、セミナー等     (平成29年4月28日現在)

 

名称 年度 参加人数
 第6回 公開講座
      がんになっても困らない暮らし方のヒント
27 60
 ELNEC-J看護師教育プログラム
      -質の高いエンド・オブ・ライフ・ケアの提供を目指して-
27 31
 連携大学合同シンポジウム
      「多職種チーム医療における意見の違い・対立をどのように調整するのか」
       ~より良い意思決定支援を目指して~
27 91
 4大学合同カンファレンス 27 34
 4大学合同成果報告会 27 17

 第27回~37回   
 第38回~46回   
 第47回~54回   がん教育講座
 第55回~62回
 第63回~68回

24
25
26
27
28

528
236
302
171
306
 第61回~79回  
 第80回~99回   CancerBoard
 第100回~119回
26
27
28
222
288
354
 第11回~21回  
 第22回~31回  
 第32回~41回  がん医療薬学研究会
 第42回~51回
 第52回~60回
24
25
26
27
28
377
362
352
408
377
 第 1回~ 5回  
 第 6回~10回  
 第11回~14回  実践緩和ケアセミナー
 第15回~17回
 第18回~22回
24
25
26
27
28
77
38
46
57
128
 第 9回~10回
 第11回~12回  
 第13回~16回  PEACE緩和ケア研修会
 第17回~20回
 第21回~24回
24
25
26
27
28
7
13
29
27

 第 1回~ 7回  がん医療薬学区東北部研究会
 第 8回~17回
27
28
25
427
 第 1回  
 第 2回  グループディスカッション勉強会
 第 3回
27
28
12
25
32
 看護学部 大学院科目等履修生 26 2
 第 1回 KAMPO Clinical Conference 26 94
 第45回 東京女子医科大学消化器病臨床フォーラム 26 38
 第52回 遺伝医学研究会 26 26
 第79回  東京女子医科大学学会総会シンポジウム
         「放射線治療の最近の進歩」
25 37
 第40回 
 第41回 東京女子医科大学在宅医療研究会
 第42回
24
25
81
77
64
 第49回 東京女子医科大学乳癌研究会 25 62
 看護スキルアップ研修「がん看護研修」 24
25
26
356
233
283
 公開講座 米国におけるAPN教育の動向
       -小児移植におけるNP/CNSの役割と活動の実際
25 61

 

ニュースレター  (平成29年1月31日現在)

平成28年度9号 医学物理学分野の新設について 東京女子医科大学大学院医学研究科
医学物理分野 教授 
西尾 禎治
この度、東京女子医科大学大学院医学研究科に医学物理学分野が新設され、
この分野の教授として着任させて頂きました。
 がんの放射線治療では、放射線と照射する人体との相互作用による物理反応を切っ掛けに、化学反応、生物反応が連鎖し腫瘍細胞を殺傷します。
医学物理学とは基礎物理学を基盤とする、放射線物理学、原子核物理学、原子・分子物理学、放射線計測学、電磁気学、物理数学、情報工学、医学、生物学などの幅広い学問の結集体であり、その知識及び成果を医学へ展開する学術分野が医学物理学分野です。
 放射線治療が高度化する一方、その治療装置や技術の品質保証及び管理の項目は、より一層の複雑化を招いています。
その結果、治療装置や技術の品質保証及び管理の業務は非常に幅広い領域で多岐に渡っており、現場の医療従事者の負担増になっています。
そのため、それらの業務の中心的役割を担う人材が必要となります。
また、放射線治療の高精度化には、医学物理学の研究開発が重要です。
それ故に、大学や研究所においては革新的な医学物理学研究及び開発、研究者の育成を主体的に実施する人材が必要です。
それらの業務を専従で実施するのが医学物理士であり、国内初の医学物理学の専門分野である
当大学の医学物理学分野では、臨床現場や大学・研究所で活躍出来る医学物理士の研究教育と人材育成を目指します。
 平成28年度9号 都市型がん医療のニーズを探る
―患者アンケート調査から見えてきたもの―
帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科 准教授
渡邊 清高
 がんプロフェッショナル養成基盤推進プランでは、都市部に在住するがん患者を支える医療人材の養成を目指しています。
都市部に生活の場を持ちながら通院するがん患者さんの治療の意向、療養の希望などのニーズを知ることは、
充実したサバイバーシップの実現に向けた支援の参考になると考えられます。
そこで、2015年9月から2016年1月に、東京女子医大病院、杏林大病院、帝京大病院に通院する外来がん患者を対象としたアンケート調査を行いました。
調査では、疾患に関わる身体的な側面だけでなく、精神的苦痛やがん罹患後の習慣、経済的な不安などをお伺いする内容とすることで、療養生活の充実に向けたニーズをお伺いする内容となっています。この調査では969名の患者さんにご協力いただきました。
そこでは、9割以上の患者さんは治療に対して積極的な意向を示す一方、約6割の患者さんで就労に関する何らかの影響があった(休職や異動・転職など)、約半数が何らかの症状があるが、軽作業など十分できるといった状況をお答えいただきました。
こうした調査により、治療や療養の意向、がんの種類や病期などの病状に加え、住環境や家族関係、経済状態などについて包括的に現状を把握することができました。
今後の解析で特性を類型化することで、患者さんひとりひとりのニーズに応じた支援体制を構築するときの貴重な基礎資料となることが期待されます。
この調査にご協力いただいた患者さん、ご家族、関係の皆さまに御礼申し上げます。
 平成28年度9号 「がんと上手くつきあうために<第2弾>家族ががんになったらどう対処する?」を開催して 帝京大学医療技術学部 
看護学科 南川雅子
 2016年9月24日土曜日、13時30分から16時まで、
帝京大学板橋キャンパス臨床大講堂で開催しました。
患者と家族ががんと上手くつきあうためには、診断を受けた時、治療を選択する時、
治療が一段落して健康の自己管理を行う時などに、正しい情報を得て、ご自身にとって最良の選択をすることが何より大切です。
インターネットが普及した今日、情報を入手することは驚くほど容易になりましたが、
それが正しい情報なのかどうか判断することは、患者・家族にとって非常に難しいことと言えるでしょう。
そこでこのシンポジウムでは、4名のシンポジストにご講演いただきました。
勝俣範之先生には腫瘍内科医の立場から、がん治療に関する誤解を解いていただき、
間違った情報を見分ける方法についてお話しいただきました。
緩和ケアチーム専従医の鎭西美栄子先生には、緩和ケアや医療用麻薬に関する正しい知識や、
がん性疼痛に対する最新の治療方法についてお話しいただきました。
小児看護専門看護師の栗田直央子様からは、3つの小児がんの事例を提示していただき、
親が子どもの伴走者となり、治療を継続しながらも、
子どもが日常に近い生活を送れるように配慮する必要性についてお話しいただきました。
がんサバイバーの重田辰弥様からは、ご自身の体験から、
厳しい治療や検査を受けている状況であっても、
ポジティブな気持ちでがんと向き合うことの大切さについて教えていただきました。
一般市民、がんサバイバーと家族、大学生・大学院生、医療者、教員など多様な方々にご参加いただき、
「がんについて何度か見聞きしてきたが、家族も改めて知る必要のある大切なことだと学んだ」、
「家族ががんになった時にどうしたらよいかということが分かり、家族と今後どのように関わっていけばよいかイメージがついた」
などのご意見をいただきました。
本シンポジウムにご参加くださった皆様、ご協力くださった皆様に感謝申し上げます。
 平成28年度9号  「第82回東京女子医科大学学会総会」 東京女子医科大学
放射線腫瘍学講座
唐澤久美子
 はじめに、座長の唐澤が、がん専門医療人養成のための教育拠点を構築することを目的として実施されている文部科学省「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」の背景と経緯、全国の拠点の概要をご説明した。
さらに、患者・家族の視点に立ちながら、質・量ともに多様化する都市型がん地域治療を担うことのできる次世代のがん医療人リーダーを養成するわれわれの取り組みの内容についての概略をご説明した。
次いで、駒澤大学の吉川宏起教授より、他施設や連携大学と共同で取り組んでいる駒澤大学でのがん専門放射線治療技師・医学物理士養成の取り組みについての紹介があった。がん放射線治療の高度化と適応拡大にとって医学物理士と専門技師は重要な人材である。
東京女子医科大学の飯岡由紀子教授よりは、女子医大看護研究科での、多岐にわたる講義や実習を取り入れたがん看護専門看護師養成の取り組みについての紹介があった。
帝京大学の有賀悦子教授よりは、小学校高学年へのがん教育を目的として開催している帝京サマースクールについての紹介があり、紹介ビデオが上映された。参加した小学生たちが手術のシミュレーション体験や顕微鏡実習でがんについて関心を持ち理解していく様子が映し出され、がんの早期教育が重要であることが再認識された。
最後に、帝京大学の渡邊清高准教授より、連携3大学医学研究科の学生と教員によって行なわれた、都市型がん医療のニーズを探るがん患者のサバイバー調査のアンケート結果が紹介された。都市型と一口にいっても地域により差があることが明らかになり、われわれの取り組みの今後の具体的な方向性が示唆されたように感じた。
  平成28年度9号 4大学連携合同成果報告会・4大学連携合同市民シンポジウムの開催
  平成29114日(土)に4大学連携合同成果報告会・4大学連携合同市民シンポジウムを開催いたします。
事業テーマ「都市型がん医療連携を担う人材の実践的教育」の目的は、患者・家族の視点に立ちながら、質・量ともに多様化する都市型がん地域治療を担うことのできる次世代のがん医療人リーダーを養成することとしています。
14大学連携合同成果報告会では「都市型がん医療連携を担う人材の実践的教育」の本拠点における5年間の取り組みについて報告をいたします。
24大学連携合同市民シンポジウムでは「都市部におけるがん医療の課題と方策について」をテーマに、講演、パネルディスカッションを行います。
   平成28年度8号
新たな長期的人材育成を目指して
帝京大学 理事長・学長
冲永 佳史
  本学は平成24年度より東京女子医科大学・杏林大学・駒澤大学と連携して、文部科学省の事業である「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」に選定され、「都市型がん医療連携を担う人材の実践的教育」プログラムを担っております。
本事業は、がん診療・研究のための教育拠点を構築し、長期的な人材育成を目指しており、その内容はがん診療医・研究者およびコメデイカル専門職の育成、チーム医療の実践教育、緩和医療、地域がん診療体制構築、対応する新たな講座の新設など、広範で多岐にわたるものです。
本学の医学研究科では、がんを診る総合医、臨床研究・臨床試験のためのグループリーダーを育成するコースを設け、さらに、緩和医療の新たな専門科目を大学院で新設し、緩和ケア医療を担う人材の育成も行っております。
また、「がんを知ろう!帝京サマースクール」では、小学生高学年を対象としたがん教育を行っており、今年で4回目の開催となりました。医療・からだへ興味を持ち、Well-being(よく生きること)や自分の健康に取り組む動機づけとなること、さらにがんに対する望ましい態度の形成に寄与することを目的とし、オープニングレクチャーをはじめとして、腹腔鏡のシミュレーターを操作する外科・顕微鏡でがん細胞を見る病理・血圧を測定する内科での実習を体験、手術室・化学療法室・放射線治療室の病院見学、クロージングレクチャーでは、一日体験したことの振り返りを行いました。
本事業は最終年度となりますが、がん診療連携拠点病院の実践および大学院教育が一体となって、本邦のがん診療の発展および人材育成で重要な一翼を担い、学んだ大学院生、受講生が現場において活躍できるよう期待しております。
 平成28年度8号 医療放射線を扱うがんプロフェッショナルの育成 駒澤大学大学院 医療健康科学研究科 教授
奥山 康男
  医療放射線を用いた技術や応用の進歩無くして現在の医療は成り立ちません。
この飛躍的な発展を遂げて来た要因には高度先進医療機器の開発だけではなく、それらを操作するテクノロジストの存在が不可欠です。主として扱う媒体が医療放射線であるため、患者への放射線被ばくを十分に考慮しながら機器の特性や能力を最大限に導出する努力を日々勉めています。そうすることで多くの診療付加価値情報を抽出でき、適切な診療情報として患者や臨床医に提供することの出来るプロフェッショナルの育成があればこそ近代医療が成り立ちます。
この様な背景の基、駒澤大学大学院医療健康科学研究科では画像診断専門医や各診療科医の業務支援を行うことが出来る画像読影支援者、並びに放射線科治療医の業務支援を施すことの出来る医学物理士や放射線治療品質管理士の認定資格取得を目指すがんプロフェッショナルを育成しています。また、本学の「建学の理念」でもあります「信・誠・敬・愛」より、どんな小さないのちも大切にする人間・慈悲の心で顧愛の言語行動ができる人間形成を目指しています。
さらに、がん予防活動の一環として連携4大学が推進する小学生高学年と中学生を中心に「生活習慣と予防できるがん、適切な検診にて早期発見できるがん」をテーマとする教育活動も積極的に進めていきます。
 平成28年度8号 平成28年度第1回4大学合同カンファレンス  東京女子医科大学 放射線腫瘍学
唐澤 久美子
  平成28年度第1回4大学合同カンファレンスを、平成28716日(土)に東京女子医科大学において開催しました。今回のテーマは、「都市型がん医療の課題と考えさせられた症例」で、大学院生自身が経験して対応が難しかった症例をプレゼンテーションし、会場からアドバイスをいただき皆で検討するという内容でした。
東京女子医科大学の新田医学部長の開催挨拶に続き、コメンテーターをお願いした、全国がんプロ協議会会長・大阪府立成人病センター総長・大阪大学大学院医学系研究科特任教授の松浦成昭先生、日本医科大学付属病院薬剤部薬剤部長の片山志郎先生をご紹介させていただき、引き続いて4人のがんプロ大学院生の発表が行われました。
駒澤大学・医療健康科学研究科の黒澤技師よりは、放射線治療における診療放射線技師の患者ケアに関する発表が行われチーム医療の重要性が認識されました。杏林大学・医学研究科の岡野医師より「高Ca血症・腎障害を契機に緊急入院となり、長期入院を要した1例」、帝京大学・医学研究科の深澤医師より「終末期の方針決定に苦慮した都市部在住単身患者の経験」、東京女子医科大学・看護学研究科の村田看護師より「高齢がん患者の意思決定支援―退院調整の今後の課題―」が発表され、いずれも都市型がん医療の抱える問題を浮き彫りにするような内容でした。医学的なアドバイス、患者さんとご家族に対する対応などについて会場から多くの助言やコメントをいただき、院生の頭の中も整理されたようでした。また、今後我々が良いがん医療のために取るべき行動について、コメンテーターの先生からも重要な示唆をいただき、有意義な時間を過ごすことが出来ました。最後に、がんの基礎研究をされている東京女子医科大学丸副学長の閉会挨拶で会を終えました。ご参加の皆様のご協力に感謝致します。
  平成28年度8号   小学校高学年へのがん教育 -帝京サマースクールについて- 帝京大学医学部緩和医療学講座
有賀 悦子
 2013年から市民啓発活動の一環として、小学校高学年への呼び込み型がん教育を毎年夏に1回開催してきた。
本プログラムの目標は、「よりよく生きることに触れながら、医療やからだへの興味を持って自分の健康について考え、社会参加を意識すること」とし、予防、検診に留まらない健康教育としたことに特徴がある。
今年も7月30日に開催し、小学5、6年生40名の募集は開始2時間で一杯となり、43名の参加者を迎えた。
プログラムは例年同様、オープニングレクチャー30分(がんの発生、検診、予防、治療方法)、体験実習各30分(病理、外科;腹腔鏡、内科;心と体のつらさ)、昼食、病院見学1時間(手術室、化学療法室、放射線治療室)、クロージングレクチャー30分(Well-being、助け人になる)であった。
小学生への広報は、Webよりチラシなどの紙媒体が有効で、児童の自己決定で参加しているものが75%、残りが親の勧めであった。学校配布のチラシで情報を得た後、自分で決め、親に相談したものが多く、こうしたプロセスも自律性に寄与しているのかもしれない。
体験実習の評価が高く、終了時の感想では、ほぼ全員に自由記載があり、具体的にこれから取り組もうとしていることが書かれていた。大学に来校することで医療を直接体験することができるのが呼び込み型のメリットである。その経験によりヘルスレジリエンスの獲得を目指した一般市民に対する健康教育は、小学校高学年で理解ができ、行動変容に繋がることが感想アンケートから感じられた。
 平成28年度8号  杏林大学がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン 取組み
  杏林大学がんプロ事務局では、本学医学部付属病院の看護部、杏林大学病院がんセンターと連携して、がん患者の方々や、そのご家族、一般市民向けに平成27年度より「がんと共にすこやかに生きる」講演会を開催しています。
本講演会は1年間で7回開催するシリーズ制になっており、各講演会の内容は様々です。がんの基礎知識から、最新のがん化学療法、緩和ケア、在宅医療、さらには社会復帰した後のがんと仕事の関わりまで幅広い内容で出来る限りわかりやすいものとなっています。
また、講師には杏林大学病院腫瘍内科の先生方やがん看護認定看護師の方、さらには外部講師といたしまして、国立がん研究センターより免疫療法の専門家や栄養士の方々をお招きし、ご講演をいただいております。
来場者数は平成27年度合計で494名の方々に参加して頂きました。
がん患者の皆様のみならず、がんという病の知識を増やそうという幅広い年齢層の方々にお越しいただいている印象です。
多摩地区のがん拠点病院として、今後も本講演会を通じ周辺地域の方々へ、「がんと共にすこやかに生きる」方法や知識を提供していきたいと考えております。
  平成28年度7号 がんプロコース修了生への期待 駒澤大学 学長 廣瀬 良弘
  文部科学省の補助金事業である「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」事業において、
平成24年度より、東京女子医科大学、杏林大学、帝京大学、駒澤大学の4大学連携による「都市型がん医療連携を担う人材の実践的教育」プログラムが実施され、今年度が最終年度となりました。
多くが文系学部である本学において、医療健康科学部及び大学院医療健康科学研究科は唯一の理系となりますが、その中で大学院医療健康科学研究科が、がんプロ事業に参加し協力できることは大変意義のあることであり、またその責任の大きさも感じているところであります。
本学の大学院医療健康科学研究科の修士課程と博士後期課程には共に、診療画像学コースと医用計測学コースが開設されておりますが、修士課程には、がんプロフェッショナル養成基盤推進プランに基づく「がん地域遠隔画像診断支援技術者養成コース」、「医学物理士養成コース」が加わり現在4コースにより教育を行っております。
高度に発展する医療に対応するためには、最新の知識と技術のみならず、医療環境を取り巻く社会的状況に対する知識と高い人間性と倫理観を備える必要があります。仏教の慈悲の心や禅の行学一如の精神、すなわち学やスキルあるいはモラルに支えられた確かな行・実践が求められるのです。
このがんプロコースで学んだ学生が、今後医療現場において高度な技術を持った専門家として活躍できることを願っております。
 平成28年度7号 乳がん市民公開講座
「情報の波に乗って、納得の乳がんの治療を」
プログラムコーデイネーター 江口研二
(医学部難治疾患支援学講座)
NPO法人西日本がん研究機構(WJOG)とNPO法人キャンサーネットジャパンが定期的に全国で行っている市民公開講座は、今回乳がんをテーマに東京で開催されました。今回は帝京大学がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン・帝京がんセンター/医学部附属病院医療連携室も企画に参加して、帝京大学板橋キャンパスの医学部臨床大講堂で開催されました。夏を思わせる陽ざしの週末に300名に近い熱心な聴衆が参加されました。
WJOGの中川和彦理事長(近畿大学医学部腫瘍内科)の開会挨拶のあと、神野浩光先生の最新乳がん外科治療、鶴谷純司先生の乳癌薬物療法の解説、鈴木美穂(報道記者)さんご自身の乳がんサバイバーとしての体験談そして今後のNPO法人 Maggie’s Tokyo(患者・家族の支援)活動の展開のお話、そしてWJOG乳がん研究グループ代表高野利実先生による「がん情報の波に乗る」と題した適切ながん情報に出会うコツに関するお話がありました。鈴木さんによる熱烈な啓発支援への取り組みのお話などで会場は大いに盛り上がりました。秋沢淳子さんの名司会にリードされ、後半のパネルデイスカッションでは、乳がん治療中の方からの御質問も多く、かなり専門的な、例えば、がんのサブタイプに基づく薬剤選択や最新の分子標的薬の効用、腫瘍マーカー測定の意味など多岐にわたる質疑応答をすることができました。この市民公開講座の詳細は現在でもNPO
法人キャンサーネットジャパンの「がん情報ビデオライブラリー」の最新版で動画として見ることができます。
最近では情報媒体が急速に変化して、個人の興味や関心に応じた情報閲覧や意見交換が普及してきています。一時代前には、教育講演や市民公開講座などの記録はDVDに作成して配布するというような作業がありましたが、今は昔の物語となり、遙かに情報の伝搬はそれらを超越して迅速に且つ広く行き渡ります。
がんの啓発のあり方も個人のニードを把握してそれらに応じた効率の良い情報のあり方をどんどん取り入れて行くべきであろうと痛感しました。
行政や関連財団などからの補助金による啓発活動においても、より迅速により安価に効率の良い方法が利用できるので、もっと工夫をこらす必要があると思いました。
 平成28年度7号 平成28年度
1回遠隔画像診断セミナー2016の報告
駒澤大学医療健康科学研究科 吉川宏起
年5月22日に江戸川区のタワーホール船堀で開催された第70回日本放射線技術学会東京支部春期学術大会(藤井雅代会長)にて、恒例の遠隔画像診断セミナーが行われました。出席者は診療放射線技師を中心に高等学校養護教員などを含めた60名でした。セミナーのテーマは「がん画像読影支援;乳腺画像検査の進歩と検査の棲み分け」で、前半は各画像診断製造メーカの責任者による目覚ましい技術進歩を遂げている乳腺三次元画像検査法の詳しい解説と臨床応用の紹介がなされました。従来は二次元的診断のマンモグラフィや超音波検査が三次元的な画像技術を駆使することで小さな病巣の存在や正確な質的診断が可能になることが示されました。MRIでは撮像時間の飛躍的な短縮による高時間分解能の三次元的ダイナミック検査や手術範囲の決定に有用なMRIガイド下生検がさらに高精度に行えること、核医学分野では世界で80台ほど稼働する乳腺専用PET1.5mmの高分解能画像による小病変の検出を可能にすることが示されました。セミナー後半は聖マリアンナ大学放射線科の印牧義英先生よりBIRADS(乳腺画像報告データシステム)に基づく乳腺画像診断と各検査法の棲み分けについて具体的な症例提示がなされました。国際的な標準語であるBIRADSによる医療者間での画像情報の正確な伝達を行うことで乳がんの診断精度を高め、エビデンスに基づく医療を浸透させる重要性が再確認されました。

 平成28年度7号    

第3回放射線腫瘍学合同カンファレンス

を開催して

東京女子医科大学放射線腫瘍科
河野 佐和 先生

2016514日に東京女子医科大学病院にて3大学合同放射線腫瘍学カンファランスを開催しました。
過去
2回のカンファランスと同様に、各施設から症例を持ち寄り、互いの意見を交換しましたが、今回も希少な癌や特異な体形、既往歴・合併症が複雑に絡むような状況にある症例が提示され、教科書や論文の紙面の情報からだけでは解決できないような日常診療の場面での問題を、お互いに顔を合わせながら検討する意義を感じました。
3回目となる今回は、新しい症例だけでなく、初回に検討した症例のその後の経過の報告も行われ、回数を重ねることによって共有できる情報も増えてきました。
新年度初回の開催であり、新たなメンバーとして加わった異動されてきた方々からは、これまでの治療経験から、限られた施設のみで行われている治療法を紹介していただくなど、検討される治療法の幅も広がったほか、多職種の参加を得られたことで、医療チームとしての観点で症例の検討を行えました。
カンファランス終了後は東京女子医科大学病院の紹介を行い、放射線治療室へご案内しました。お話ししながら和やかな時間を過ごし、それぞれのつながりが強くなったことを感じています。

  平成28年度6号   

 がんプロ事業最終年度によせて 

 杏林大学 学長  跡見 裕 先生

       平成24年度より、東京女子医科大学・帝京大学・駒澤大学と本学の4大学連携により、都市型がん医療連携を担う人材の実践的教育を目的とし、「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」事業がスタートしてから早くも5年目を迎えます。
がんは、わが国の死因第一位の疾患であり、国民の生命及び健康にとって重大な問題となっている現状から、平成18年に「がん対策基本法」が制定されました。この基本法の中で、手術・放射線療法・化学療法その他のがん医療に携わる専門的な知識・技能を有する医師や、その他の医療従事者の育成が求められています。本事業では4大学の総力を終結し魅力的かつ実践的な教育プログラムを連携して行い、患者・家族の視点に立ちながら、質・量ともに多様化する都市型がん地域医療を担うことのできる次世代のがん医療人リーダーを養成する事を目指してきました。
本学の医学研究科では、個々の患者の状況に応じた最適ながん診療を実践できる医師を目指し、専門知識と技術を磨く「都市型地域医療専門医養成コース」、がん治療に関する質の高い臨床試験の計画、実施を行える技量を習得し、国際臨床試験の実施に参加できる研究者を目指す「臨床試験研究者養成コース」の2コースを設置しています。また、保健学研究科においては様々なニーズに対応できる高度実践看護師を目指す「がん看護専門看護師養成コース」を設置しています。他にもがん医療に従事する看護師(臨床経験5年以上)の方を対象とした「がん患者コーディネーター養成コース(インテンシブコース)」を設置し好評を博しています。
今年度でがんプロ事業は最終年度となりますが、今後も継続的にがん専門医療人の養成ができるよう基盤の構築を積極的に進めていきます。

平成28年度6号 放射線腫瘍学合同カンファランス 帝京大学医学部附属溝口病院
放射線科 多湖 正夫
近年、放射線治療技術の進歩は目覚ましく、定位放射線照射、強度変調放射線治療、画像誘導放射線治療、粒子線治療などが徐々に普及してきています。また、根治照射、術前・術後照射など、多くの疾患の診療ガイドラインに放射線治療が記載されています。
 しかしながら、実際の診療現場においては、このように定型的にプロトコールに沿って放射線治療を行う場合だけではなく、そもそも放射線治療の適応なのか、放射線治療の適応ではあるが標的設定や線量分割はどのようにすればよいかなど、個々に検討を要する場合も多く経験します。このようなガイドラインに記されていない症例については、医師個人や施設によって様々な考え方があり、この考え方の違いとくに施設間の違いをざっくばらんに議論するのも、教科書や論文や学会場では得られない良い実践的な勉強となりますが、実はそのような機会はあまり多くありません。
 本プランで連携している4大学は全て放射線治療に携わっており、各施設の放射線腫瘍医、医学物理士、診療放射線技師などが合同で実際の症例に対するカンファランスを行っています。がんプロ事業はあと1年ですが、放射線腫瘍学合同カンファランスは貴重な場であり、がんプロ事業終了後も継続すべき取り組みと考えています。
平成28年度6号 第2回放射線腫瘍合同カンファランス

東京女子医科大学放射線腫瘍科
河野 佐和 先生

2016312日に帝京大学で第2回放射線腫瘍合同カンファランスが開催されました。3か月おきに行われているこのカンファランスでは各大学病院の症例の検討を行っています。今回も各々2-3の難渋している症例を持ち寄り、腫瘍そのものの問題だけでなく、既往歴や合併症から、また社会的な患者背景から治療に困難な問題を抱える症例について互いの意見を交換しました。今回の会場となった帝京大学病院は敷地内に飲食店も軒を連ね、司会の医師による病院紹介の際に「地域の方の憩いの場ともなっている」と表現されるなど周囲を広く住宅街に囲まれており、同じ東京都にありながらも当院とは患者の周囲の環境は異なっています。あるところでは経験がない出来事もほかのところでは経験があったりと、それまで院内では出てこなかった意見が出されていました。また、技師・物理士も参加しているため、治療内容について放射線物理的にどうであるかといった観点からも意見が出されるなど、さまざまな角度から活発に意見が交わされました。カンファランス終了後は、帝京大学のがんプロの取り組みの紹介と放射線治療室や診察室など院内見学にご案内していただきながら互いに親睦を深め、非常に有意義な時間を過ごしました。
平成28年度6号

がんプロ推進メンバー 

東京女子医科大学     コーディネーター     林 和彦      化学療法・緩和ケア科 教授

                            コーディネーター      唐澤 久美子   放射線腫瘍学講座 教授

                                                        日沼 千尋     看護学部長

                                                        飯岡 由紀子   成人看護学 教授 

杏林大学                 コーディネーター     古瀬 純司     腫瘍内科学 教授

                                                        中島 恵美子   成人看護学 教授

                                                         高山 誠       放射線腫瘍学講座 教授 

帝京大学                 コーディネーター      江口 研二     難治疾患支援学講座 特任教授

                            コーディネーター      有賀 悦子     医学部緩和医療学講座 教授

                                                        佐野 圭二     医学部外科学講座 教授

                                                        関 順彦      医学部内科学講座(腫瘍内科) 病院教授

                                                       多湖 正夫     放射線科 教授 

駒澤大学               コーディネーター      吉川 宏起     医療健康科学研究科 教授

                                                       嶋田 守男     医療健康科学研究科 教授

                                                       奥山 康男     医療健康科学研究科 教授

 

平成28年度6号

平成28年度開講の大学院コース 

東京女子医科大学     都市型がん医療連携を担うがん治療専門医養成コース     化学療法医・緩和医療医

           都市型がん医療連携を担うがん治療専門医養成コース     がん治療認定医

                            医理工連携がん研究者養成コース                              医理工系研究者(医学物理士)

                            がん看護専門看護師養成コース                                がん看護専門看護師 

杏林大学                 都市型地域医療専門医養成コース                             がん治療専門医

                            臨床試験研究者養成コース                                      腫瘍内科医、腫瘍外科医、
                                                                                                   放射線腫瘍医

                            がん看護専門看護師養成コース                                がん看護専門看護師 

帝京大学                専門的緩和医療医師養成コース                                 緩和医療専門医

                           地域でがんを診る総合医要請コース                           がんを診る総合医

                           臨床試験グループリーダー養成コース                        腫瘍内科医、腫瘍外科医、
                                                                                                   放射線治療医
 

駒澤大学             がん地域遠隔画像診断支援技術者養成コース                 診療放射線技師

                         医学物理士養成コース                                              医学物理士

 

 平成28年度5号  いよいよがんプロ最終年度を迎えます!  東京女子医科大学 化学療法・緩和ケア科
 教授
  林 和彦
      われわれ4大学のがんプロ事業も、いよいよ最終年度を迎えます。東京都では、がん患者の生活環境や要望は大きく異なる上に急速に高齢化が進行し、急性期から在宅医療までの地域がん医療連携の効率化が急務となっていますが、地域がん医療を担う能力を持つ医師や看護師、技師等は極めて不足しています。東京女子医科大学では、がんプロフェッショナル養成基盤推進プランのもと、帝京大学、杏林大学、駒沢大学とともに、大学院教育そしてインテンシブな卒後教育を通じて、都市型がん医療のコーディネータとなりうる、優秀な医療者を養成してまいりました。昨年度にはこれまでの活動を振り返り、改めて都市型がん医療とは何かを問うべく、グループ校と共同で1000名を超える患者さんにアンケート調査を行い、現在解析中ですが、得られた結果を随時各施設のがん医療の質の向上に反映していく所存です。また、質の高いがん医療の実践のためには、患者そして国民の皆様のがん医療の理解が不可欠ですが、各大学は公開講座や学校におけるがん教育によって、地域のがん医療の啓発活動を開始し、その輪が年々大きく広がりつつあります。本事業では今年度も4大学の総力を結集し、患者・家族の視点に立ちながら、質・量ともに多様化する都市型がん地域医療を担うことのできる次世代のがん医療人リーダーを養成いたします。
平成28年度5号 杏林大学医学研究科の取り組み 杏林大学 腫瘍内科学 教授 古瀬 純司

本事業の目的は「高度ながん医療、がん研究等を実践できる優れたがん専門医療人を育成し、わが国のがん医療の向上を推進する」ことにあります。我々のグループは、東京という大都市を背景にもつ医学部が中心となっており、「都市型がん医療連携を担う人材の実践的教育」をテーマに、各大学のコーディネーターが中心となり、大学院に設置する養成コースの円滑な連携・推進事業を進めています。
 本学では平成254月より新たに放射線腫瘍学講座を設置しました。がんに特化した講座を設置する事により、大学院教育のみならず、学部生を対象としたがん教育を広げ、切れ目のない教育を行うとともに大学内のがん教育に対する体制強化を目指しています。同時に、医学研究科へ「都市型地域医療専門医養成コース」と「臨床試験研究者養成コース」を設置しました。また、医療従事者を対象とした、短期間に幅広い専門領域を学べる「臨床試験コーディネーター養成コース」を開講し、多くの方ががん治療、がん薬物療法、臨床試験に関する知識を習得するため受講しています。
 平成263月には「東京都における都市型がん治療を考える」をテーマに連携大学と合同で市民公開シンポジウムを開催し、最新のがん治療戦略と都市型がん診療の医療連携について多くの市民の方にご参加いただき、本事業を知っていただけるよい機会となりました。
 また、平成27年より「都市に生活するがん患者における充実したサバイバーシップの実現に向けた調査研究」アンケート調査を開始し、東京女子医科大学340件、杏林大学252件、帝京大学379件、連携3校合計971件のアンケートを回収致しました。来年度学会での発表を目指し、解析を進めてまいります。ご協力いただきました皆様に心よりお礼申し上げます。
 がんプロ事業も残すところ1年となりましたが、今後も引き続きがん専門医療人の養成に取り組んでいきたいと思いますので、皆様の更なるご支援とご協力をお願い申し上げます。

平成28年度5号 「多職種チーム医療における意見の違い・対立をどのように調整するか~より良い意思決定支援を目指して~」を開催して がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン看護学部運営委員長 飯岡由紀子
東京女子医科大学・弥生記念講堂にて201626日(土)13001630に開催しました。医療は高度化・複雑化し、患者様・ご家族の安心・安全な医療を求めることや、質の高い医療を求める意識も高まってきています。特に、がん医療の発展は目覚しく、多岐にわたる治療の選択肢やケアの方針を巡って、さまざまな意見の違いや対立が交錯することが少なくありません。更に、医療専門職による「チーム医療」は重要なテーマになっており、多様な職種が協働・連携することが求められます。しかし、受けてきた教育背景も役割も異なる人たちが、意見交換をするため、価値観の対立が生じることが少なくありません。十分な論議が交わされることは大変望ましいのですが、感情的な意見のぶつかり合いになるとチームでの成果が挙げられず、中にはスタッフが疲弊してしまう場合もあります。 このような状況において、意見の違いや対立をどのように調整したら良いのかを考えることをテーマとしました。まずは、「信念対立解明アプローチ」を開発された京極真先生から、その基本的な考え方や実際の内容をご講演いただきました。シンポジウムでは、意見の相違がある事例を提示し、内出容子先生(リエゾン医師)、渡邉直美先生(がん看護専門看護師)、村本ゆう子先生(医療ソーシャルワーカー)より、それぞれの立場から事例へのアプローチをご発表いただきました。その後の全体討議では、信念対立解明アプローチにおける介入について討議し、スタッフ間や患者・家族間での情報の差が生じている場合の、介入方法について討議しました。また、コミュニケーションにおける配慮と遠慮の違いも論議され、配慮をもってコミュニケーションをとることの重要性も検討されました。 寒さが残る季節でしたが、91名の方がご参加くださいました。アンケートには、「信念対立の認識がもてれば、コミュニケーションを円滑にできる方法を探れると感じた」「職業によりいろいろなアプローチの仕方があり勉強になりました、とても楽しいシンポジウムでした」などのご意見をいただきました。本公開シンポジウムにご参加くださりました皆様、ご協力くださいました関係者の皆様に深謝いたします。
平成28年度5号 「がんになっても困らない暮らし方のヒント」をテーマとして がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン
看護学部運営委員長 飯岡由紀子
2016227日に東京女子医科大学看護学部第6回公開講座が開催されました。本年度の公開講座は、がんプロ共催となり、『がんになっても困らない暮らし方のヒント』をテーマとして行いました。東京女子医科大学看護学部成人看護学飯岡由紀子から「心配になることと心構え」をテーマとして、がんの発症率やがんに関連する要因、がんの治療法、療養生活の概要、がん予防などをについて話ました。がんと診断されたときのこころの変化や、治療中の療養生活(副作用とのつきあい方など)、がん情報の集め方、がんに関する相談支援などについても説明をしました。東京女子医科大学病院医療ソーシャルワーカーの村本ゆう子様からは、「療養生活を支える支援」をテーマとして、医療費負担を軽減する制度(工学医療費など)、生活費などの助成や給付(障害年金など)、生活の支援(介護保険など)、主に経済的な支援に関するご講演をいただきました。  新聞記事を見て参加された方も多く、「とても役に立つお話でした」「家族ががんになって、もっと早くお話を聞いていれば良かった」などのご意見をいただきました。更に、がんプロ事業の一環として作成した「がんになる前から手に取るガイド」を配り、がんに関する理解を深めていただけるようにしました。市民の方たちとともに「がん」について共に学ぶ機会となりました。
平成28年度5号
平成28年度の取り組み  
●第4回合同カンファレンスの企画(医療問題について院生が企画するカンファレンスを開催予定)
●連携4大学合同市民公開シンポジウム平成28924日(土)13001600 東京女子医科大学弥生記念講堂看護系連携3大学合同市民シンポジウム平成28924日(土)13301600 帝京大学板橋キャンパス臨床大講堂
●4大学5年間の合同成果報告会l  子どもたちへのサポートプログラム
●多職種合同カンファレンス
●放射線治療の合同カンファレンス 
3回 東京女子医科大学 第4回 杏林大学 第5回 帝京大学 第6回 東京女子医科大学
平成28年度4号 都市型がん医療連携を担う看護師とは 東京女子医科大学 看護学部
飯岡 由紀子

がん医療は、治療の発展とともに、高度化・複雑化してきました。がん医療を担う看護職においても、高い専門性が求められています。東京女子医科大学看護学部では、がん看護専門看護師コース(38単位)を設け、がん看護の専門的知識・技術を基盤とした高度な実践を提供できる人材の育成に取り組んでいます。また、専門看護師が担う6つの役割(実践、相談、調整、倫理調整、教育、研究)を遂行するうえで重要となるコンピテンシーの向上を目指しています。
2人に1人はがんに罹患する時代となり、「がんとともに生きる」という病とのつきあい方もあります。がんとの療養生活を支援する看護は、より重要性が高まってきていると考えます。病態、エビデンス、価値観、人間関係など、病をもつ人をトータルにとらえ、その人にとって最適となる生活を支援するのが看護です。看護の専門性は見えにくいといわれますが、扇の要のようにチーム医療を推進する重要な役割を担っているとも考えています。
都市部におけるがん医療の特徴には、高齢化が急速に進行すること、がん患者の若年化により社会的課題をもった患者が増加していること、錯綜する情報に混乱しやすいこと、地域連携がとりにくく脆弱であることなどが言われいます。このような状況をふまえ、「都市型がん医療連携を担う看護師」にはどのような能力が求められるのか、常に問いかけながら教育に携わっています。

平成28年度4号 杏林大学保健学研究科の取り組み 杏林大学大学院保健学研究科 成人看護学教授 中島 恵美子

杏林大学保健学研究科では「がん看護専門看護師養成コース(大学院)」「がん患者コーディネーター養成コース(インテンシブコース)」の2コースを設置しております。
「がん看護専門看護師養成コース(大学院)」では高度実践看護師育成に向け、既存の養成コース教育課程にフィジカルアセスメント、病態学、薬学などの科目を設け教育の充実を図っております。また、地域におけるがん患者に対応すべく、がん薬物療法、在宅での緩和ケアについて科目を加え、講義・演習・実習を行っています。特に実習では実践力強化を目指し専門看護師による指導が受けられるプログラムを組んでおります。また、「がん患者コーディネーター養成コース(インテンシブコース)」においては、臨床経験5年以上の看護師を対象に、がん患者のQOL維持・向上の視点に立ち、様々なニーズに対応できるコーディネーターを目指し、短期間で集中的に専門領域を学べるようプログラムを組みました。特に症状緩和の技術演習として、リンパ浮腫緩和に対するリンパマッサージの技術演習やコーディネーションスキルを学ぶための体験学習は受講生同士が協力し合い、与えられた課題をこなしていく有意義なものとなっています。
次年度は、『都市型がん医療連携を担う人材の実践的教育』のがんプロ事業、最終年ということもあり、より一層充実した講義、演習、講演会を行いますので、多くの大学院生、看護師の参加をお待ちしております。

平成28年度4号

平成27年度連携4大学合同市民公開シンポジウムの報告

駒澤大学大学院医療健康科学研究科 吉川宏起

本年度の連携4大学合同シンポジウムは、“がんってどんな病気か知ってる?”をテーマとして平成271220日(日)に駒澤大学の記念講堂で開催いたしました。今回は我が国におけるがん検診受診率の低いことを背景に、小・中学生ならびにご家族の方々を対象にした分かりやすい“がん教育”を目標としました。開会と閉会時にはそれぞれ駒澤大学学長の廣瀬良弘と副学長の桑田禮彰が挨拶をさせていただきました。司会の江口研二先生、田中美惠子先生をはじめ連携4大学のメンバー総動員で、57分程度に短く区切った10講演とし、参加者の方が飽きないよう工夫をいたしました。シンポジウム全体を“がんって…なに?”、“がんの実態を知る”、“がんの予防策を知る”、“がん検診の大切さを知る”の4つの大項目に分けてそれぞれに小項目を設定しましたが、がんの予防から早期診断および検診の重要性、治療法の種類、緩和医療などを網羅する内容になりました。今回の参加者は67名でうち小学生が2名という結果となってしまいましたが、アンケート調査による評価はたいへん高く、小・中学生に対する“がん教育”の必要性が大きさを改めて実感させられました。また今回、文部科学省初等中等教育局の方や杉並区立の小・中学校の校長先生、教育担当者の方々にご参加いただいたことからも、連携4大学の来年度に向けての1つの指針が示されていると確信しております。

平成28年度4号 全国がんプロ合同フォーラムに参加して 東京女子医大消化器外科 
有泉俊一
先日全国がんプロ合同フォーラムに参加させていただきました。テーマは『外科手術の安全性をいかに担保するか』です。分野を問わず全国から多くの先生方が集まりました。教授陣から中堅の外科医、麻酔科医、薬剤師の先生などです。群馬大学や千葉大学の手術事故に対する取り組みに始まり、WHOが推奨する安全な手術のための10の目標、トヨタ自動車との”ASUISHI’’プロジェクトなど普段聞くことのないテーマについて学ぶことができました。普段麻酔科医、担当医、看護師さんで行っている’’Sign in”が患者取り違えの予防になること、WHOが推奨し皆で行う “Time out”が手術合併症や手術死亡を減らすこと。“確認”“連携”“報告”がいざという時役に立つこと。早速医局会で紹介させていただき、教授をはじめ医局の先生方、研修医、学生さんと勉強しました。ERのビデオもとても好評でした。手術で患者さんが喜んでいただけるように、手術後に苦しむ人が一人でも減るように、安全な手術を遂行いたします。医局をあげ、病院をあげ皆で協力し努力します。この度は貴重な勉強の機会をありがとうございました。
平成28年度4号

第三回外部評価委員会の報告

平成28年2月4日(木)に第三回外部評価委員会が開催されました。 これは、本事業について、外部有識者から客観的な評価を伺うものです。各大学より、昨年度開かれた外部評価委員会において指摘された問題点及び改善要望への対応報告、今年度における本事業の推進状況報告及び今後の計画について報告を行い、外部評価を受けました。各大学の努力により評価は昨年度と比べ高評価となりました。 各委員からのコメントの一部を紹介します。l●本事業の目標は「都市型がん医療連携を担う人材の実践的教育」である。他の 癌プログラムにはない都心に住む患者のニーズに答える医療人をどのように育成するかをテーマとして掲げている。昨年度の活動報告で3大学病院でのアンケートは画期的な事業であると言える。この結果を踏まえ、患者のニーズに答える人材育成に役立てていただきたいと思う。
●「がん」という目標に対して、さらに一歩進んで「子供たち」への教育にも取り組んでいるところは、妥当というよりも文科省モデルの「お手本」であると思います。
●都市型がん医療連携を担う人材の育成といった難しいテーマであるが、各大学が都内にある特色を活かした連携による取り組みが行われていると思われる。医学物理士人材育成においては、女子医大と早稲田大が既に持つ連携基盤を活用した理工系の人材育成、また、駒沢大では医療技術系の人材育成の体制が構築されつつある。今後、ここに帝京大が加わることで、都内大学連携による理工・技術系の医学物理人材育成の基盤が構築されることを強く期待している。
●第二回外部評価委員会で提示された課題がほぼクリアされたことは評価される。
平成28年度3号 帝京大学緩和医療学講座より 帝京大学医学部緩和医療学講座教授・診療科長 有賀悦子

東京都では、がん患者はその生活背景や就労などの個別性が高い中、とりまく社会では高齢化が急速に進んでいます。このような都市特性の中で、臨床教育を専門とする施設で連携を取り、多様でかつ急速な変化に対応できるがん医療の人材の育成に取り組んでいます。治癒を目指した分野に並行し、患者のWell- beingを支える医療分野である緩和医療を整備していくことは、医療側に留まらず、患者のセルフマネジメント力の向上など、その内面性にも大きな影響があります。
帝京大学では、地域でがんを診る総合医や臨床試験リーダーの養成コース、専門的手技実地体験コースに加え、日本にはまだ数少ない医学部緩和医療学講座を開設し、「専門的緩和医療医師養成コース」として緩和医療の専門医と学位修得を目指す大学院コースや「基本的緩和ケア医療人養成コース」(インテンシブコー ス)といったカリキュラムを組み、大学基盤を持って教育に当たっています。2名の大学院生が3年生となり論文に取り組んでいます。また、インテンシブコー スの地域の多職種が活発に大学病院を訪れ臨床実地研修も日常の風景となりました。さらに、市民啓発活動では、例年夏の定番となった呼び込み型小学生対象のがん教育-帝京サマースクールも軌道にのり、今年は受付開始10分で50人分一杯になりました。
がんプロ2期も、後残すところ1年となりました。
子どもサポートグループのプログラム開発に向けて3大学による横断的チームが動き出しました。地域や一般市民の方々にできるかぎりの還元ができるよう大学医療人として力を尽くしていきたいと思っています。

平成28年度3号

 新たな年明けに向けた抱負

駒澤大学医療健康科学研究科教授 吉川 宏起

日進月歩の勢いで開発される放射線科領域の高度先進医療機器は、現在の医療現場に於いては欠かすことのできない画像診断や高精度放射線治療を最大限に引き出すツールとなっています。しかし反面、臨床医は煩雑な日常診療の他に適切な画像検査法や画像読影法、放射線治療計画など多くの事を習得しなければなりません。
駒澤大学では、これらの臨床医の業務支援を行える画像読影支援者や安全な放射線治療を施すことの出来る専門職の育成、また、遠隔画像診断や画像転送システムの開発に携われる21世紀型医療ソリューションを担う人材の育成を目指します。さらに放射線治療が患者のために適切に実施されるよう、医学物理学の専門家として放射線科治療医を支援することのできる医学物理士や放射線治療品質管理士の育成を行います。
本年度と来年度は、連携4大学が推進するがん予防活動の一環として、都市部の小・中学校、高等学校を中心に、『良い生活習慣から予防できる”がん”、適切な検診により早期発見できる”がん”』 をテーマとする教育活動も進めていきます。

平成28年度3号 「平成27年度4大学合同成果報告会」を開催しました
平成27年度4大学成果報告会を、平成2795日(土)に東京女子医科大学において開催しました。東京女子医科大学の新田医学部長の開催挨拶に続き、第一部では、医学領域、看護領域のがんプロ大学院生により、PPTを使用しての成果発表と専門領域の先生方による質疑応答が行なわれました。杏林大学内科腫瘍学分野院生の成毛医師からは、「がん化学療法による末梢神経障害に対するトラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠の有効性に関する研究」および今後共同で取り組む「都市に生活するがん患者における充実したサバイバーシップの実現に向けた調査研究」について、帝京大学大学院医学研究科緩和医療学の久保医師からは乳癌患者におけるサルコペニアの遡及的調査研究についての発表があり、東京女子医科大学看護研究科の院生木原看護師と村田看護師からは大学院での活動の内容についての発表がありました。第二部では、各大学の各研究科より、これまでの成果と今後の予定について報告があり、教員だけでなく院生を含めた参加者間で今後の展望について活発な意見交換が行われました。 
平成28年度3号 4大学合同カンファレンスが開催されました。
平成271114()、東京女子医科大学附属病院にて、連携4大学(東京女子医科大学・杏林大学・帝京大学・駒澤大学)の合同カンファレンスが開催されました。 「原発不明がんの診断と治療と看護」をテーマに、司会・演者・パネリスト等の全てが大学院生の自主運営による形式で実施しました。 4大学合同で多職種の学生が集まり、医学領域のみならず、看護学や放射線学領域からも発表がなされました。 多角的アプローチから考察された各症例報告やディスカッションは、参加大学院生のみならず指導的立場にある教員からも質問が出るなど、カンファレンス参加者にとって大変有意義なものとなりました。 4大学合同開催にあたり、各役割の意義・重要性・困難性を実感するとともに、大学院生の研究者としての成長を感じるものでした。
平成28年度3号 東京女子医科大学医学物理インテンシブコース蛍光ガラス線量計による線量測定の基礎講習会』を開催しました

20151128日(土)に放射線医学総合研究所重粒子医科学センター 放射線治療品質管理室の水野秀之先生を講師に迎え、蛍光ガラス線量計による線量測定の基礎を学ぶ講習会を開催しました。
蛍光ガラス線量計はラジオフォトルミネッセンス(RPL)を利用した積算型の固形線量計で、繰り返し読取が可能で、素子間のばらつきが少なく、フェーディングはほとんどないという優れた特徴を持っています。医用原子力技術研究振興財団の治療用出力線量の第三者評価の測定事業にも使われており、最近は、国際原子力機関(IAEA)も線量評価ツールとして取り入れています。
講師の水野秀之先生は蛍光ガラス線量計取り扱いの第一人者でIAEAがガラス線量計を線量測定に取り入れた際の指導も行っています。講習会には定員一杯の12人が参加し、参加者からは人数がちょうどよく実習形式で理解が深まった」「ブラインド照射が正解した時はガラス線量計の測定精度について感心した」「今回のような基礎講習会の重要性を改めて認識した」などの感想が寄せられました。 

講習内容
10001100 リニアックでのガラス素子照射
11001200 リニアックでの電離箱線量計による測定
13001400 講義
14001700 上記で照射した素子の読み取り等

平成28年度2号 都市型がん医療に役立つ体制を創ること 帝京大学医学部 難治疾患支援学講座 
特任教授 江口研二
がんの治療の際に、糖尿病・心疾患などさまざまな病気もかかえている患者さんが非常に増えています。また、都会では核家族化などが進み、団塊の世代の高齢化で、高齢世帯・高齢独居などの生活をされている方々が増えています。今後のがんの療養の動向として、大都市特有の課題として、交通アクセスなどと裏腹に、急増する高齢人口に対応できる医療・介護の環境と機能をどのように充実させるかということが非常に深刻な課題です。いわゆるキャンサーサバイバー(がん治療を受けた人たち)のその後の生活指導なども含め、切れ目のない支援が必要です。 地域の中で医療や介護などさまざまな役割を担う人たちが、ばらばらに活動していては解決できない課題ばかりです。平成24年度版首都圏白書によると、2005年から2035年までの高齢人口の増加人口は東京圏では約460万人、増加率77%に対し、地方圏では増加人口345万人、増加率27%と予測されています。人口過疎地の医療は以前から問題とされていますが、実は大都会での医療をどのように担うのか、地域でどのような支援体制が適切なのか、それらに対応できる多職種スタッフの数など、大変な喫緊の課題が生じてきています。 高齢化社会における都市の医療環境を背景に、いつでも相談でき、がんのことも専門医と連絡できるシステムが身近な地区にあればがん患者さんにとって非常に心強いものとなります。帝京大学に設置された「がんを診ることのできる総合診療医」育成の課程は、総合医としての診療能力を基盤に、専門医療機関と連携してがん診療を継続しうるスタッフ、すなわち地域がん医療のネットワークを支える人材の育成を目標にしています。
平成28年度2号 「都市型医療連携を担う人材の実践的教育」について 東京女子医科大学 
放射線腫瘍学講座教授・講座主任 唐澤久美子
この「都市型医療連携を担う人材の実践的教育」プランは、東京の4大学が連携を組んで、都市における地域医療連携を踏まえた最適ながん治療を学修するプランです。広い学識を持ち地域連携のコーディネート能力の高いがん治療専門医、がん治療専門看護師、医学物理士などを養成し、がんに関する理工系研究者を医理工連携で養成します。 東京女子医科大学では、化学療法医、緩和医療医、放射線腫瘍医のみならずすべてのがんにかかわる診療科の院生を対象とした都市型がん医療連携を担うがん治療専門医養成コース」、がんに関する先端医療機器や創薬・再生医療の研究者を育てる「医理工連携がん研究者養成コース」、QOLを重視した地域医療連携を推進できる「がん看護専門看護師養成コース」を開講しています。また、院生のみならず受講を受入れる様々なインテンシブコースを開講し、東京におけるがんプロフェッショナルを養成の一翼を担っています。 多くの院生、がん医療関係者のご参加を期待しています。
平成28年度2号 医学物理士と医学物理コースについて

 医学物理士とは、国際労働機関(ILO)の国際標準職業分類においてMedical Physicist「物理学に関連する科学的知識を医療の分野に応用する職業」と規定されています。日本では「放射線医学における物理的および技術的課題の解決に先導的役割を担う者」と定義され、一般社団法人医学物理士認定機構が認定を行っています。
2015年4月時点で、全国の大学院33校に医学物理コースがあり、そのうちの17校は医学物理士認定機構の教育コース認定を取得しています。
本がんプロでは駒澤大学の修士課程コースが次年度の認定取得を目指しており、女子医大が次年度より博士課程のコースを立ち上げる準備を進めています。

平成28年度2号

がん看護専門看護師について

専門看護師制度は、複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた専門看護師を社会に送り出すことにより、保健医療福祉の発展に貢献し併せて看護学の向上をはかることを目的としており、認定審査による承認を行っています。
現在、11の専門分野があり、がん看護分野は最も多くの専門看護師が認定されています。がん看護専門の特徴は、がん患者の身体的・精神的な苦痛を理解し、患者やその家族の不安を和らげるコミュニケーション、がんに関する専門知識や看護技術の向上、患者やその家族はもとより医師や介護者などの保健医療福祉に携わる関係者との調整する能力、他の看護師の質の向上のための教育や、看護実践の向上に向けた研究活動を遂行する能力などが求められます。

1.個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。(実践)
2.看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。(相談)
3.必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。(調整)
4.個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる。(倫理調整)
5.看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。(教育)
6.専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う。(研究)

平成28年度2号 東京女子医科大学 実践看護学Ⅰ(がん看護学) CNS実践看護コース
がん患者・家族のQOLの維持・向上を目指して、さまざまな治療中の看護、がんサバイバーへの看護、緩和ケア、エンド・オブ・ライフケア、地域医療連携、がん医療体制などについて、追究するコースです。現代社会におけるがん医療の課題から臨床における看護の質向上まで多角的な見解から課題について探索し、高度実践能力、コンサルテーション、倫理調整、チーム医療を推進する調整力などCNSとしての能力を育成します。専門看護師教育課程基準の38単位コースとして開設しています。共通科目では、フィジカルアセスメント、病態生理、臨床薬理の強化を行い、がん看護専門看護師の役割開発に関する実習を強化しています。更に、がん看護に関する専門科目では、薬物療法、意思決定支援、シームレス医療、セクシュアリティやボディイメージへのケア、在宅療養支援、症状マネジメント、臨床推論、遺伝看護、家族看護などに関して学びます。
平成28年度2号 杏林大学
●保健学研究科看護学専攻 がん看護専門看護師養成コース
 臨床現場において、卓越した専門的能力を持つ実践者、ケア調整者相談者や教育者、研究者としての役割機能を果たすこと。ならびにケア開発ができる高度人材として高度実践看護師育成をします。
●保健学研究科看護学専攻 がん患者コーディネーター養成コース(インテンシブ)
がん患者のQOL維持・向上の視点に立ち、様々なニーズに答えられるコーディネーターの役割機能を果たすこと。また、退院支援として病院と地域医療のコーディネーションができる人材を育成します。
平成28年度2号 その他の取り組み

看護系3大学連携 公開シンポジウム(201626日) 本年度は東京女子医科大学看護学部が中心となり公開シンポジウムを行います。講師に信念対立解明アプローチを開発した京極真先生をお迎えし、「多職種チーム医療における意見の違い・対立をどのように調整するのか~より良い意思決定支援を目指して~」と題してシンポジウムを行います。今後のニュースレターで詳細をお伝えしますので、関心のある方のご参加をお待ちしています。
市民を対象とした公開講座(2016227日) 看護学部公開講座として「がんになっても困らない暮らし方のヒント」をテーマに公開講座を行います。こころの変化、がんに関する情報の集め方、治療中のすごし方、経済的な課題への対応、セカンドオピニオン、チーム医療の取り組みなどに関する講演を企画しています。
がん看護学専攻の大学院生と大学院修了生による事例検討会 事例検討会では、複雑事例の検討、勉強会なども行っています。大学院生と修了生の交流の場でもあり、認定試験の準備をしたり、CNS活動に関する情報共有の場でもあります。年間で4回開催しています。

平成28年度2号 看護系3大学今後の予定

平成27年718日 東京女性医科大学 がん看護学事例検討会
平成27年725日 連携4大学合同カンファレンス
平成27年8月21日 帝京大学 市民向け「ミニ健康講座:がん患者の家族の悩みと対処法」
平成27年9月19日 杏林大学 保健研究科看護学専攻 がん患者コーディネーター養成コース(インテンシブ)スタート
平成27年1120日 東京女性医科大学 がん看護学事例検討会
平成27年26日 看護系3大学連携 公開シンポジウム
平成27年220日 東京女性医科大学 がん看護学事例検討会
平成27年226日 東京女子医科大学看護学部 公開講座

平成28年度1号 新年度の開始にあたって 東京女子医科大学 理事長・学長代行
吉岡 俊正
文部科学省事業「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」に選定された、東京女子医科大学・杏林大学・帝京大学・駒澤大学の4大学連携の「都市型がん医療連携を担う人材の実践的教育」は今年で4年目を迎えています。本年度から、新たなコースを開講するなど、より多くのがん医療者を目指す大学院生、がん医療関係者の教育・研究・診療に役立つプロジェクトを推進したいと思います。
 がん医療者を目指す大学院生の皆さんには、ぜひコースを履修し学修に役立て、優れたがん医療者となって下さい。ご関係の皆様におかれましては、皆様のご協力により成果が上がりつつあるところですが、今年度はなお一層のご支援とご協力をお願いいたします。
平成28年度1号

都市に生活するがん患者における充実したサバイバーシップの実現に向けた調査研究

杏林大学医学研究科腫瘍内科学教授 古瀬純司

さまざまながんの治療の進歩により、長期生存を果たすがん患者さんが増加しています。がんの治療後日常生活に復帰する、あるいは治療を続けながら生活を送ることが普通にみられるようになってきています。がんは長くつきあう慢性病に変化してきており、がん治療と並行して充実した生活を送ることが、がん医療大きな課題となっています。我々4大学によるがんプロフェッショナル養成事業(がんプロ事業)は、「都市型がん医療連携を担う人材の実践的教育」を目的に掲げて進めています。都会に居住されるがん患者さんの特徴を理解した上で、適切ながん診療を確立していくことが主な課題です。 本がんプロ事業の3病院は東京女子医科大学病院が新宿の都心部、帝京大学病院が東京都区部の比較的下町、杏林大学病院が東京都の多摩地区を中心に診療を行っており、同じ東京都でありながら患者を取り巻く環境は異なることが考えられます。そこで3病院に通院されているがん患者さんのさまざまな情報を集めることにより、本がんプロ事業のサバイバーシップの向上に向けた取り組みの一環として、現状の把握と重要な資料の作成ができればと考え、今回の調査研究を計画しています。 がんプロ事業の推進とがん患者さんのサバイバーシップの向上に向けて、是非今回の調査を成功させるべく皆さんのご協力をお願いできれば幸いです。
平成28年度1号 連携4大学合同市民公開シンポジウム
「がん(・ ・)ってどんな病気か知ってる?」について
駒澤大学 医療健康科学研究科 吉川宏起

今年度の市民公開シンポジウムは都市圏の小学校高学年、中学生、高校生を対象とし、がん(・ ・)ってどんな病気か知ってる?;がん(・ ・)の予防のしかたとがん(・ ・)検診の大切さ』をテーマに考えています。子どもの時からのがん(・・)予防の推進と都市圏で低いがん(・・)検診率を如何に向上させるかをねらって以下のような企画を検討しています。

1.「がん(・・)の実態を知る」
 a.画像で見つける
 b.手術で治す
 d.薬で治す
 e.放射線で治す
 f.痛みや辛さを和らげる
2.「がん(・・)の予防策を知る」
 タバコのおそろしさ、肥満のこわさ、運動の大切さ、がん(・・)と感染病
3.「がん(・・)検診の大切さを知る」
   a.がん(・・)を予防するワクチン
 b.お父さん、お母さんに教えてあげようがん(・・)検診の大切さ 

日時:平成27年12月の土曜日または日曜日

場所:駒澤大学記念講堂(駒沢キャンパス)
  平成28年度1号    第15回帝京がんセミナー :「子どもたちへのケアを考える」   帝京大学医学部緩和医療学講座教授・診療科長 有賀悦子
       小・中・高校で、がん教育が始まりつつあります。しかし、親ががんであったり、がんで亡くしたりした子どもたちへの支援体制は、まだほとんどありません。過去2年間、小学校5,6年生へのがん教育をがんプロ事業で実施してきた経験から、その必要を私たちは実感しています。そこで、臨床系多職種で構成される3大学緩和ケアチーム合同カンファレンスをさらに発展させ、3大学の看護系分野と共に、身近にがんの大人がいる子どもたちへのサポートグループを立ち上げることを計画しています。それに先立ち、すでに実施しているNPOの方々を講師に招き、セミナーを開催することとなりました。親ががんになった子どもたちへのサポートとしてアメリカのCLIMBプログラムを国内に導入された大沢かおり先生、そのグループのメンバーであり、子どもの発達心理を専門にされている小林真理子先生、東北震災の地や板橋区で定期的な死別体験の子どもたちのサポートを続けている西田正弘先生にお話しして頂きます。また、このセミナーは、北区、板橋区の学校の先生方にもお知らせしており、地域で子どもたちへのケアを考える体制に繋いでいく予定です。同日、サポートグループ立ち上げのキックオフミーティングをステアリングメンバーで予定しています。まずは、本セミナーに皆様、奮ってご参加ください!